夢のあと任意にバターをぬる家族
きのうまで稲妻だったキリンたち
ここは森オートロックのはやい森
カードキーだけ持って枯草を踏む
小エビとおなじ目に遭いたいか
朝礼に遅刻してきた五年生 くらいはしゃいでいる池の鯉
赤ワインみたいな夜の荒川を ぼくだけが立ち止まって見てた
遮断機の間際に立っていることは ぼくを読みとく情報じゃない
シャッターの閉まった駅に 向かうとき排水溝に湯気たち昇る
説明がたりないしかし蟹ずくめ
もういちど偽の愛知に連れてって
財産に数えていいのその泡も
腕相撲にしては焦げ臭くないか
凍らせておいた総選挙はどこだ
自治会の会長による獅子舞を 見るという時間の使い方
合歓の葉は なにがしたくて揺れている
正直がもっとも価値をもつ砂漠
後編を抜けだしたって水浸し
春はあけぼのって鏡の全盛期
てのひらに棘をそだてる春の船
待ちわびたからにはロマン派の鏡
海風がくるから釘を打つ派かい?
正直にぶらさがる釣り竿はどこ
またね春ひとの血マメを潰したの
茄子を煮る夜になっても構わない
きみはなんにもわるくない船
お汁粉に似ている方がひだりうで
姫路城あたしなんにもしたくない
ぬるま湯の蛸に数字を振りすぎる
滝行のペットは餌をたべのこす
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